突発SS テイルズ・オブ・ヴェスペリア ユーリ×(&?)エステル

本日二度目のブログ〜♪
弟のヴェスペリアクリア記念(笑)。
あくまでも設定ねつ造のテイルズ・オブ・ヴェスペリア ユーリ×エステル。最終決戦勝利、数か月ぐらい後の話…かな。
ユーリ達が世界を救ったという事実を知っているのは騎士団や上層部の一部の人間のみ、という設定。
エステルちょっとしか出て来ません。続きは書くかどうかすら未定。興味のある方のみどうぞ。
興味のない方はすこーんと飛ばしちゃってください。
ユーリは鳥海さん、エステルは中原さんボイスで脳内一発変換で♪





ダングレストの街は嫌いじゃねぇ。
いや。むしろ好きかも知れねぇな。
場末の酒屋に漂う酒の匂いと店の女の甘く漂う香水の匂いが入り混じった空間の中にいると、なんとなく落ち着く。
大勢で飲むのもそれはそれで嫌いじゃないが、たまには一人で物思いに耽りたいなんてことを珍しく思った俺は、ひと仕事終えた後でひとりでここに来てグラスを傾けていたわけだが、
「あらぁ。ユーリじゃない?」
一人の贅沢な時間を堪能すること20分と経たないうちに、香水の匂いに更に輪を掛けたような甘い声を掛けられた。
店の女だ。以前この店に顔を出した時に酌をしてくれて会話を交わしたことがある。当時も話題には尽きない女だったから話はそこそこに盛り上がった。
「よう。ひさしぶり」
「全然店に顔出してくれないから心配してたんだよ。今まで何処で何してたの」
「何してたって…あちこち旅して敵なぎ倒して、最後には高い塔のてっぺんで人類救って来ましたって感じ?」
「…ユーリ、あなた相変わらず面白いこと言うね。涼しい顔してもう酔ってんの?」
嘘は言ってないし、面白いこと言ってるつもりもないんだがな。ましてや酔ってなどいない。
「こんなんで酔うかよ。まだ二杯目だぞ」
「へぇ。ユーリにしてはスローペースじゃない。あたしも一杯もらっていいかな」
「どうぞ。一杯でも二杯でも、ご自由に」
「ありがと」
マスター、こっちにロックちょうだい、とカウンターに向けて注文した彼女は俺に向けて艶のある笑顔を乗せた。俺と同じ年ぐらいかもう少し上か。胸元の開いた水色のドレスが彼女に良く似合っている。だが男性客からしてみればこの開き具合は目の毒か。彼女の近くに腰掛けていた男性客のひとりがちらりと彼女の胸元に視線を送った後で、耳元を紅く染めながらこほんとひとつ咳払いをした。
「凄いね、これ。いつも持ち歩いてるよね。…あれ。前に持ってた剣と違う。何て名前の剣?」
俺の腕に掛けられた鞘の中に納められたそれを視界に入れた彼女は、興味津々に尋ねて来た。
「ああ、これか?スパインリッパー…だな」
「格好いい名前ね」
「暗殺者が背中から斬り付ける剣、らしいぞ」
「へぇ。暗殺者、ねぇ。ユーリ、2、3人殺っちゃってそうだもんね〜、合ってるわ、その剣」
さっきとは違い屈託のない顔で笑った彼女の口から出たセリフに俺は苦笑した。
「ったく、洒落になってねぇのな」
「まさか…、本当に暗殺しちゃったとか?」
「さぁ?どうだかな」
「何処までが本気で何処までが冗談なんだか。そういうミステリアスなところがユーリの魅力でもあるんだけど。…ねぇ」
ここの仕事もうすぐ終わるの。その後ふたりで何処か行かない?
耳元に顔を近付けた彼女から究極の甘い声で誘いを掛けられるが、如何せんそうも行かない理由が俺にはあった。
「悪い話じゃねぇが、それは無理ってもんだ。なんせ生真面目なお嬢さんが家で待ってるんで」
「…え?家でお嬢さんが待ってるって…っ、ユーリ、あなた何時の間に結婚したの?!」
「するかよ。ギルドの連中と一緒に暮らしてる。その中にいるんだよ。いい加減なことする男は許せないっていうお嬢さんが」
「もしかして、そのお嬢さんって、髪の毛ピンク色でセミロングのお嬢さんじゃない?」
彼女に言われて何故分かった、と言う前に視界の端に映り込んだ人物に弾かれたように顔を上げた。
この店にはそぐわない清楚な立ち姿に、男性客の視線が一斉にその人物へと注がれる。
「…どうした?何かあったのか」
腰を浮かせながら言う俺と視線を合わせたエステルだったが、一度その視線は外された。
「えっと…、帰りが遅いので、心配で探してたんですけど、窓の外からユーリの姿が見えたので…。間の悪い時に、来ちゃいました?」
言いながら困ったような顔をして、俺と隣にいる彼女を交互に視界に入れて見せる。そしてその直後、
「お邪魔しちゃったみたいで、ごめんなさい!」
そう言って律儀に頭を下げ店からエステルが立ち去るのとほぼ同時に、俺は立ち上がって札をテーブルの上に置いた。
「これで足りるか」
「はーい。今お釣りを…」
「いらね。あんた、取っといて」
「そりゃどーも。彼女追い掛けるんなら急いだ方がいいよ?このあたり夜は物騒だから」
「あんたに言われなくても分かってる」
言い捨てて俺は早足で歩き出す。そして店のドアを開けると、左右に首を振りエステルの姿を探した。









ブレイブヴェスペリアの仲間で暮らしている、というのが一番のねつ造。大きな家を借りて女性は二階、男性一階とかで住んでたら楽しいだろうな、と思ったわけでして…。最後まで読んでいただいてありがとうございました!